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連続生産(見込み生産)方式のお話

  • 執筆者の写真: 山田 修司
    山田 修司
  • 2018年4月8日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年4月9日

連続生産というのは、一つの製品を一定期間に渡って生産していく形態です。生産の現場において、「一定期間」といったときには月の単位であることが多く、場合によっては週の単位であるときもあります。工場の生産ラインと聞いたときに、一番最初に連想されやすいのは連続生産方式を採用している工場のラインかもしれません。


専門的な定義によれば、「連続生産方式とは、標準化された有形物を専用の設備で反復的に生産する形態」のことです。製品仕様や需要量を生産者によって決定・予測された製品を、専用に設計開発された設備で計画的、かつ連続的に生産します。


連続生産方式は、量産品の生産を狙っており、生産性の効率を重視する生産方式です。一連のラインに沿うような形で製品を連続的に絶え間なく加工・組立していくため、上流の機械トラブルでラインが停止してしまうと、以降の下流工程のラインも停止してしまいます。現実にはそんなに簡単に停止してしまってもいけませんので、各工程には一定の停止時間に対応できるだけの仕掛品を常備しておき、上流の流れが回復するまでの間は仕掛り品を流したりすることでライン全体の停止を防止します。


専用の設備を設置するということは、迅速かつ簡単に大きな変更をすることはできません。よって、連続生産方式では工程設計や事前計画の管理には特に重点をおきます。具体的には、製品の需要量に合ったラインを設定する。生産能力をフル活用する。綿密な生産計画を立てる。そして、ラインが動き始めたら、ラインを極力停止させないよう、材料遅れ、作業ミス、品質不良、緊急の日程計画変更を削減していく必要があります。(もちろん、機械が動いてたら危ないような作業をするときにはラインをちゃんと止めてくださいね・・・。)


さて、先述していますが、連続生産の場合には、一つの機械や装置などの設備故障が発生すると、以降の下流ラインがすべて停止するリスクがあります。よって、日常的な保全においては、設備の故障を防ぐための「予防保全」に重点を置きます。例えば、あらかじめ事前に一通りのメンテナンス用品や代替機を準備しておき、完全にライン全体が停止して製品を生産できなくなってしまったときのことまでを想定して仕掛品(製品在庫)を持ちます。


工場というのは、会計上では「コストセンター」として考えられる部門です。なるべくフル稼働させたほうが利益率が上がり、資材や人やモノをなるべく減らすことで利益を上げることができるという捉えることができます。


しかし、生産数という数値の達成にこだわりすぎるような目標を設けると、無理にヒトやモノをフル稼働をさせすぎるような不正が発生しがちですし、資材や人やモノを過剰に削減すると頻繁なライン停止が発生してしまい生産性や利益率が低下します。どのような生産方式にも共通することではありますが、設計や計画の段階で「実現可能な目標」を立てることを大前提とする必要があります。




 
 
 

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