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工場計画と立地の諸要因

  • 執筆者の写真: 山田 修司
    山田 修司
  • 2018年5月12日
  • 読了時間: 3分

みなさんが工場を建てようと思ったらどこに建てるでしょうか。土地が安い場所、工業団地、原材料を集積しやすい場所、製品を運搬しやすい場所、そもそも条例で工場を建設してもよいことになっている区域など、考えはじめると色々な制約条件があることがわかります。


近所の駅前に建てることができれば、従業員の交通の便などは良いかもしれませんが、地代は高く、倉庫の広さも限定され、トラックで製品を頻繁に運搬するのも難しいです。


主要な取引先が東京に集中しているのに、土地が安いからと思って工場を北海道に建設してしまうと、土地代よりも高い物流コストが発生してしまいます。なので、そういうケースでは、首都圏への移動を意識して東京近郊かつ高速道路沿いにある土地に工場を立地することが多いと思います。


さらに、海外に立地を検討するような場合には、投資計画を立てるところから始まり、生産品目や生産量の計画を立てていきます。


土地や水道光熱費、あるいは人件費が安い国に工場を建設するのであれば、なるべく生産性の高い汎用的な製品を大量に作らないともったいないという話になってきます。そこまで決まれば、どのようなチーム体制で工場を始動させるのかという組織的なところも決まってきます。ここまで決まれば、ある程度の採算性と投資計画をリンクすることができます。


さらに、海外立地特有のリスク(カントリーリスク)を考慮しながら敷地の設定をして、詳細レイアウトを検討します。これは、実際に現地まで行って調査する必要があります。調査せずに建設する段になってから、元々が沼地や湿地だったことが判明すると大きな設備を建てるのは難しくなってしまいます。現地で建屋をどう配置するかというところに関しても、現地を見て回らないとイメージがつきにくいです。そして、人・製品・部品、そして廃棄物の動線などを考慮しながら詳細なレイアウトを検討します。


JISの定義によれば、「レイアウト」とは、合理的に運搬・処理・移動が行えるような建物・設備・装置などの配置または配置に関する行為のことです。「レイアウト」は物理的システムの静的側面であり、システム構造を表しています。


機械は一度配置したら、今度は人が機械の配置に基づいて動かなければなりません。機械の配置と人の動線で生産性は大きく変わります。人がぶつからない。転ばない。戻らないといったところをしっかり考える必要があります。では、そうした合理的なレイアウトはどうやって考えればよいかというときに出てくるのが、「SLP(システマティック・レイアウト・プランニング)」です。


「SLP」とは、製造する品種と生産量などを決めるところから始まり、モノの流れや、設備間の関係性などを洗い出しながら、詳細レイアウトを詰めていくための手法です。


さて、「SLP」については長くなるので、また次回!




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