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ライン生産方式

  • 執筆者の写真: 山田 修司
    山田 修司
  • 2018年4月9日
  • 読了時間: 3分

ライン生産とは、技術的な工程順に作業ステーションがライン上に配置されており、ラインが進むにつれて加工が進んでいく工程方式のことです。いわゆる、流れ作業のような方式です。


はい、勉強中の方だと「ライン生産」と「連続生産」と何が違うの・・・?って混乱するポイントです。連続生産というのは生産方式です。ライン生産は工程の方式です。ライン生産以外で工程に関する方式といえば、セル生産方式があります。(セル生産方式については、このあとの記事で紹介します。)


ライン生産方式では、すべての品物の移動(搬送)と加工(作業)が工程間で完全に同期的に行われます。このような同期化がなされていることをタクト生産方式とも呼びます。各工程の製品はベルトコンベアで運ばれながら加工・組立工程を次々と滞りなく通過していくようなイメージです。(ちなみに、タクトというのはオーケストラの指揮者が持ってるあの指揮棒のことです。)


すべてがラインで繋がっていますから、途中に作業がとても遅い工程があると、そこがライン全体のボトルネックになります。よって、ライン生産方式では、各作業ステーションに割り付ける作業を均等に配分する取り組みが重要です。これを「ラインバランシング」と言います。


ライン生産は、主に小品種大量生産に向いている方式ですが、中品種中量生産でも使われることがあります。


単一品種を流すことを想定している「単一品種ライン生産方式」では、あらかじめ準備された計画と生産量を目標として、製品を連続的に生産する方式です。しかし、最近は顧客ニーズが多様化しており、複数品種への対応が欠かせなくなってきました。一つの製品だけではなく、複数の製品の製造に取り組む必要性が高まってきています。


そこで、多品種を流すことを想定した「多品種ライン生産方式」では、計画された品種数と生産量に応じて、いくつかの小期間ごとに品種を区分けして、小期間中においては特定の一品種のみを連続的に生産し、小期間で目標を達成したら次の小期間では別の品種を連続的に生産していくという活動を繰り返します。これはいわゆるロット生産と同じで、小期間ごとに段取替えが発生します。


さらに、生産が計画されている品種間における要素作業がほぼ同じ作業の場合には、段取りを行わない・あるいは段取替えを極小化した「混合品種ライン生産方式」が採用されます。これは、「ほぼ等しい複数品種」を混合して連続的に生産するための方式です。混合品種ライン生産方式を採用する場合のメリットは、各品種とも定常的に出荷が要求される場合に、生産量の平準化や在庫の削減、生産期間のの短縮化を狙いやすくなることです。仮に作業工程数が品種によって異なったとしても、技術的に工夫することで同一工程数にすることは可能です。


逆に、品種間でまったく異なる要素作業が発生するような場合や、製品の需要が発生する時期が品種ごとに異なるような場合には、段取り替えの発生を前提に置いた「多品種ライン生産方式」が採用されます。





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