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マーケティングコンセプト

  • 執筆者の写真: 山田 修司
    山田 修司
  • 2018年5月12日
  • 読了時間: 3分

マーケティングの定義が少しずつ変化してきたように、マーケティングのコンセプトも時代とともに移り変わってきました。


モノが不足していた時代には、製品をいかに早く大量に作るかというところが重視されていました。現代では、これを「生産志向」と呼びます。

作ったら作っただけ売れるから、とにかく製品をたくさん作れるだけ作ろう。品質は悪くても構わないという生産技術が中心の時代です。


そして、モノが安定してたくさん作れるようになってくると、今度は作った製品を販売する効率を高めていくことが重要になってきました。

販売者を重視して、積極的にセリング、販売のための手法を強化していくというような考え方が中心になりました。これを「販売志向」と呼びます。


しかし、消費者にモノが行き渡りはじめると、今度はたくさんモノを作って、店頭にモノを置いてどんどん販売しようとしてもモノが余ってしまう時代がやってきました。


適当に作ったモノがなんでもかんでも売れる時代ではなくなり、個人のライフスタイルに合うものを欲しがるようになってくると、人々の様々なウォンツを満たす必要がでてきました。そうすると、標的市場となる消費者を設定してブランディングや4Pを展開していく「消費者志向」が重要になってきました。


そして、現在では、企業も社会の一員であるという前提に立って、組織としての透明性や、社会貢献を重視していく活動として「社会志向」が重視される時代になりました。


どれだけよいモノを作っても、社内でパワハラやいじめのような行為が蔓延していたり、産業廃棄物の違法投棄や空気汚染のような環境破壊をしていたり、ずさんな管理やコンプライアンス違反をしていては、ブランドイメージを大きく毀損することになります。


営業手段が限られる個人商店でも、中長期的にはウォンツまでを満たせなければ潰れてしまいます。もちろん、とても立地に恵まれたコンビニやスーパーマーケットならば、仕入れたものが仕入れただけ売れるようなこともあるかもしれませんが、それだけだと実力ではなくて運頼みですから、そこで得た利益を元手にしてたくさんの店舗を広範囲の地域や全国に展開していこうとしたときには潰れてしまいます。


「○○なら○○商店」と思われるようなイメージを、どのような場所においても維持していける仕組みづくりができるのが理想です。


といっても、消費者は正直あまり細かいことまではイメージすることができません。できれば、「カレーライスと言えば○○」とか「パンなら○○」、専門的な業種でも「中古ピアノなら○○」とか「釣り道具なら○○」というくらい少し日常的な会話の中に入り込めるくらいの情報量にできるのが良いです。


また、モノや状況によっては、「とにかく、受注できるだけ受注して、作れるだけ作れ。」「売れるだけ売れ。」という志向が有効になるときもありますが、製造と流通、そして販売が既に十分に整備されている日本国内においては、すぐに供給過多の状況に陥ってしまいますから、あくまでも一時的な戦術としてそういうやり方もあると捉えたほうがよいでしょう。




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