モチベーション・リサーチ
- 山田 修司
- 2018年5月12日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年4月16日
マーケティングにおける「モチベーション・リサーチ」とは、消費者の購買行動における、潜在的欲求を明らかにする調査手法のことです。
なんでマーケティングの世界に「モチベーション」という少しエモーショナルな言葉が出てくるのかというと、最終的に購買や商品へのイメージを決定する要因は、消費者の潜在意識の中にあるからです。
ふだん、人間は表層的な顕在意識を使って言葉を喋ったり、コミュニ―ケーションをしています。しかし、人間の行動を決めるのは深層的な潜在意識が決定しているという考え方が、「モチベーション・リサーチ」の前提にあります。
「モチベーション・リサーチ」には、いくつかの手法があります。
「深層面接法」は、具体的な質問をしながら、調査対象者の深層心理を探る手法です。「あなたの経歴はなんですか?」「どのような価値観を持っていますか?」「朝食はライスとパンどちらですか?」といったような手法です。
「語句連想法」は、調査対象者に刺激を与えて、深層心理を探る手法です。「スポーツ飲料水と聞いたときにどういう言葉を思い浮かべますか」というような質問を繰り返しながら、調査対象者が連想するイメージを探ります。
「第三者技法」は、第三者視点から一般的な評価をしてもらいます。「どのような人達がこの商品を買うのでしょうか?」というふうに質問をしていく手法です。
「文章完成法」は、空欄のある文章を穴埋めして完成させてもらう手法です。「私は○○を見ると○○する。」というような質問文を出して、その解答内容から深層心理を探ります。
「物語法」は、物語に対してどういう反応を示すかを想像してシミュレーションしてもらう手法です。「夜7時に家族で晩御飯を家で食べているときに、テレビでこういうCMが流れたらどういう会話をしますか?」というような質問をします。
「ロールプレイング法」は、実際に経験のないことをアドリブで演じたときにとった主観的な行動を分析する手法です。
「モチベーション・リサーチ」による調査は、消費者の心理やイメージを探るには有効な手法ではあるのですが、被験者へのインタビュー時間が長くかかってしまうので、サンプル数が多くは取れないという欠点がありました。回答された結果を解釈する際に、評価者が複数人いてバラバラに評価してしまうと、結果的に客観性が保たれにくいということも問題でした。
しかし、近年では、インターネットの普及と、コンピュータを利用したデータマイニングによる解析が可能になったことによって、サンプル数や評価者ごとの偏りという欠点は解決されるようになってきたので、インターネット広告とともに急速に普及しつつあります。
「モチベーション・リサーチ」について、ご相談がありましたらぜひお問い合わせください。

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