ニーズとウォンツ、セリングとマーケティング
- 山田 修司
- 2018年5月12日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年4月16日
マーケティングの根底とも言える部分を成している重要な用語に、少しだけ誤解が生じやすい言葉、「ニーズ」と「ウォンツ」。
「ニーズ」とは、消費者の本質的な欲求であり、ようするに本来の目的です。
例えば、「絵を描きたい」「本が読みたい」「英語で会話したい」「コーヒーが飲みたい」というのであれば、それは消費者の「ニーズ」です。
「ウォンツ」は、表層的な欲求であり、目標を達成するために必要な欲求と手段です。
「絵を描きたい → ペンタブレットが欲しい」「本が読みたい → ○○書店で本を買いたい」「英語で会話したい → 英会話で有名な○○教室に通う」「コーヒーが飲みたい → スタバでコーヒーが飲みたい」というような話なら、それは「ウォンツ」です。
企業におけるマーケティングとしては、「ニーズ」を汲み取りながら、「ウォンツ」まで満たせるブランドを作っていくことが重要です。
さらに、「セリング」と「マーケティング」という言葉も錯綜しやすい用語です。
「セリング」は、売上の作り方です。
営業の人が、今日や明日の売上ノルマをどう達成しようかと考えるような営業努力は「セリング」です。これは現場での日常的な努力が必要なことですね。
「マーケティング」は、長期的にモノやサービスを売っていくための見せ方や仕組みづくりです。
分析やアイデアの創造が中心で、今日や明日のことではなく、さらに先、短くても10年や20年はマストで、できれば50年後のことまで考えながら構築していくものです。
「いや、そんな先のことなんてわからないよ」っていう気持ちはわかりますが、真面目に真剣に市場分析しようとしたら、国内人口の増減であるとか、食料自給率でも女性の就業率でもなんでもいいんですが、何らかの「パーセンテージ(%)」のような数値を取り扱うはずで、自信を持って上司なり客先なりに提案に行くには、それくらい先のことまで分析して、A案・B案・C案くらいまで用意して提案を持っていかないと、ちょっと重箱の隅を突かれただけでボロを出してしまいます。
話を元に戻しますが、「セリング」と「マーケティング」は誤用されやすく、一緒くたにされやすいと思います。
少しわかりやすく噛み砕くと、「どのように売るのか?」はセリングで、「どのように届けるのか?」がマーケティングです。
ここはきちんと切り分けて考えないと、中途半端なアイデアになりがちなポイントなので、マーケティングを考えるときには注意しながら進めていきましょう。

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